プロジェクトについて About
JHPC-quantum
計算可能領域の開拓のための
量子・スパコン連携プラット
フォームの研究開発
NEDO ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発
背景background
経済産業省(経産省) 「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の一環として、新エネルギー・産業技術総合研究開発機構(NEDO)が公募した「計算可能領域の開拓のための量子・スパコン連携プラットフォームの研究開発」に、理化学研究所、ソフトバンク、東京大学、大阪大学が協力して提案したプロジェクトが採択されました。
本プロジェクトは名称をJHPC-quantumとして、量子コンピュータ(QC)とスーパーコンピュータ(HPC)を連携させるためのシステムソフトウェアを研究・開発し、それを用いて、量子HPC連携プラットフォームを整備し、その有効性を実証するものです。プロジェクトの推進に当たっては、商用化されたタイプの異なる量子コンピュータ(2台)を理化学研究所内に導入(2025年度稼働)する予定となっており、設置が完了するまでの間は、クラウドを通じてQCの計算資源を活用し、QCとHPCとの連携に向けたソフトウェアスタックの開発を行います。
研究開発期間は、2023年11月1日から5年間を予定しています。(ステージゲートあり)
開発目的purpose
量子コンピュータは、従来のコンピュータと全く異なる原理で動作し、情報処理速度の劇的な高速化が期待されますが、現時点では、規模拡大と計算結果の誤り訂正の両立が困難なため、量子コンピュータ単独での実用化には時間を要する見込みです。一方で、デジタル化の進展により、情報処理能力の向上が急務であり、量子コンピュータの活用がいち早く求められているところ、古典コンピュータを組み合わせて活用することが有望視されています。
本事業では、世界に先駆けて、量子コンピュータとスパコンを連携利用するためのソフトウェアやプラットフォーム、アプリケーションを開発・構築し、ポスト5G時代で提供されるサービスとして展開する技術としての有効性を実証することを目的としております。
- ・2026年度に量子・スパコン連携プラットフォームを運用開始し、それを用いて量子・ HPC連携アプリケーションの有効性の実証に取り組む
- ・2028年度下期、量子・スパコン連携プラットフォームのプレリリースを計画
開発目標goal
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中間目標(ステージゲート時)
実際の量子コンピュータを整備し、開発した量子・HPC連携システムソフトウェアを設置し、量子・スパコン連携プラットフォームを構築します。また、運用体制を整備し、プラットフォームを量子・HPC連携アプリケーションの研究開発者に提供します。
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最終目標
開発した量子・スパコン連携プラットフォームにて、いくつかのアプリ・アルゴリズム (現在、量子ダイナミックスのアプリを想定)を用いて、量子・HPC連携によるアプリケーションの有効性を実証します。
開発した量子・HPC連携システムソフトウェアを用いて、複数のスパコン並びにクラウドと複数の量子コンピュータおよび量子計算シミュレータからなるマルチプラットフォームを構築、それぞれ相互に利用できることを確認します。
開発内容detail
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量子・HPC連携ソフトウェア
スパコンと量子コンピュータを連携させ、最適な計算資源をシームレスかつ効率的に利用するためのシステムソフトウェアを開発します。
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モジュール型量子ソフトウェアライブラリ
モジュール型量子ソフトウェアライブラリ:アプリ分野に合わせたモジュール型のソフトウェアを整備、量子コンピュータの特性に合わせたエラー緩和処理、回路最適化処理を実現する上位ソフトウェアライブラリを開発します。モジュールとして組み合わせることで高度な量子アプリケーションを開発可能とします。
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量子・スパコン連携プラットフォームのクラウド化技術
事業展開を見据えて、量子アプリケーションの利用を支援するクラウド基盤ソフトウェアを開発します。
構築する量子・スパコン連携プラットフォームの構成composition
理化学研究所 計算科学研究センター(神戸)及び(和光)に特性の異なる2種類の量子コンピュータを整備し、これらと富岳、及び東大・阪大スパコンと連携したプラットフォームを構築します。
事業項目Work Packages
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01
量子・HPC連携のための遠隔手続き
呼び出しシステムソフトウェアの研究開発 -
02
量子・HPC連携プログラミング環境の研究開発
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03
量子・HPC連携スケジューラおよび量子・
HPC連携ソフトウェアのカップリング技術の
研究開発 -
04
量子・HPC連携システムを利用する
モジュール型量子計算ソフトウェア
ライブラリの研究開発 -
05
量子・HPC連携プラットフォームの構築および
運用技術の開発 -
06
量子計算シミュレータの
高速化・高機能化 -
07
量子・HPC連携プログラム最適化技術の
研究開発 -
08
量子・HPC連携アプリケーションの研究開発と
有効性の実証 -
09
クラウド向け展開のための
PaaSシステムの研究開発 -
10
量子・HPC連携アプリケーションの
実用化の推進